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第24回鉄骨加工雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社塚本鉄工所、更新担当の中西です。

 

~溶接という仕事~

 

 

溶接とは、金属を溶かし、一体化させる技術である。
単純に見えるが、その中には高度な物理と化学、そして熟練の経験が詰まっている。
「溶接が建物をつくる」と言っても過言ではないほど、建築・機械・プラント・造船など、
あらゆる産業で不可欠な仕事である。


1. 溶接の原理

溶接は、金属同士を加熱し、分子レベルで融合させる技術である。
接合部分が一体化することで、ボルト締結よりも強い結合力を発揮する。

主な溶接法には以下のような種類がある。

  • アーク溶接(被覆アーク・半自動・TIG)
     最も一般的。電気アークの熱で母材と溶接棒を溶かして接合する。

  • ガス溶接
     酸素とアセチレンを燃焼させて金属を加熱。細かい部品の補修などに使用。

  • レーザー溶接
     高エネルギーのレーザー光で精密溶接。ロボット化が進む分野。

  • スポット溶接
     薄板同士を圧力と電流で瞬間的に溶着する。自動車業界などで多用。


2. アーク溶接の技術

溶接の中でも最も汎用性が高いのがアーク溶接である。
特に建築鉄骨では、被覆アーク溶接(手棒溶接)とCO₂半自動溶接が主流となる。

溶接の基本は「溶け込み」と「ビード形状」。
溶け込みが浅ければ強度不足、深すぎれば母材の変形を招く。
適正な電流・電圧・速度を維持しながら、一定のビード(溶接線)を形成することが重要である。

職人はアークの音で状態を判断する。
良好な溶け込み時は「サーッ」と安定した音が鳴り、
不安定な場合は「バチバチ」と不均一な音に変わる。
音・光・溶融池の動きを同時に見極める感覚こそ、熟練の証である。


3. 溶接欠陥と品質管理

溶接部には、外観では見えない欠陥が生じる場合がある。
代表的なものに以下が挙げられる。

  • 溶け込み不足

  • スラグ巻き込み

  • ピット(気泡)

  • クラック(割れ)

  • アンダーカット(母材削れ)

これらは強度低下を招くため、非破壊検査(NDT)によって確認する。
磁粉探傷(MT)、浸透探傷(PT)、超音波探傷(UT)などの手法で内部状態をチェックし、
品質保証を行う。


4. 職人の感覚と姿勢

溶接は科学でありながら、極めて感覚的な仕事でもある。
風の影響、母材温度、姿勢、アーク長。
これらは現場ごとに変化し、教科書通りの条件では成立しない。

職人は“手の記憶”で最適な条件を探り、
同時に安全と品質を両立させる。
それはまさに、火と金属を操る「工芸技術」と言える。


5. まとめ

溶接とは、鉄を融合させ、形を創り出す技術である。
単なる接合ではなく、構造そのものを支える「根幹の技」。
火花の一筋一筋に、職人の集中と経験が宿っている。

 


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